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緒方貞子さんの死を悼む

投稿日:2019年11月5日 更新日:



 日本人としては初の国連難民高等弁務官を務められ、その後JICA(国際協力機構)理事長も務められた緒方貞子さんがこのほど92歳で亡くなった。

 ご夫君の四十郎さん(緒方竹虎元自由党総裁の子息)は5年前に86歳ですでに亡くなっておられ、日銀や開銀時代にご指導いただき、奥様の貞子さん共々大変お世話になった。

 貞子さんは在任中「現場主義」を掲げられ、多発する内戦や紛争で大量の難民問題に対し、その都度ヘルメットに防弾チョッキ姿で各地を回られ、こうした弱い立場の人々に支援の手を差し伸べ寄り添われた。

 7~8年前、小生が高速道路会社の経営にタッチしていた頃、JICAに若手スタッフを出向させ、ケニアやコンゴなどへ派遣して親しくご指導いただいていたので、直接お目にかかり御礼申し上げたことがある。「こちらこそ、こうした途上国のインフラ整備のために技術指導等お手伝いいただき助かりました。ただ、国際紛争が絶えない中で多発する難民問題は残念ながら成長分野だわね」小柄ながら歯切れのいい口調で大変意味深い教訓をいただいた。

 訃報に接し海外からも悼む声が数多く上がったとのことだが、むべなるかなである。
曾祖父に犬養毅元首相をいただき、政治とのつながりもあったことから、一時外務大臣に推挙する声もあったが、「その任は不向きです」と即座にお断わりになった。

女性リーダーの鑑として、たぐいまれな指導力と粘り強い交渉力を随所に発揮されたが、ご夫君の愛情あふれる支えも並大抵ではなかった。

 日銀の釧路支店長をしていた頃、開銀の副総裁として当時国内で唯一稼働していた海底炭採掘工場の「太平洋炭鉱」(海上2キロ先沖合の海底で採掘中)にお供したことがあるが、その折に「妻がああして世界を舞台に動き回っているので、私も海外に出向くことが多いが、私の役目は愛犬のお守りをしつつ機内に乗り込むことなんですよ」と嬉しそうに話しておられたが、その温顔が今も懐かしく思い出される。

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