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映画「デイーパンの闘い」

先日、日比谷の映画館で「デーパンの闘い」を観た。

 現代の社会的テーマである「難民問題」に真正面から取り組んだ作品であり、カンヌ国際映画祭でパルムドール賞(最高賞)を獲得した話題作とあって、中高年から若者までかなりの観客が足を運んでいた。

主人公の元兵士デイーパンは、内戦下のスリランカを逃れフランスに入国するため、赤の他人の女と少女ともども何とか審査をパスしてパリ郊外の集団アパートにとりあえず腰を落ち着ける。彼はアパートの管理人として、女ヤリニは家政婦として、少女イラヤルは小学校に転入、フランス語をいち早くマスター、いずれ心を通わせる二人(「父」と「母」)の通訳も引き受ける。紛争から難を逃れてきた三人がパリでささやかな幸せをつかみかけたところへ、新たな暴力の火の粉が降りかかり、戦とはきっぱり決別していたデイーパンであったが、家族への愛を守るため、次第に闘いの輪に巻き込まれていく。

難民問題、家族愛、そしてサスペンス、この三つがフランスの名監督ジャック・オデイアールの手により、見事に描かれておりぐいぐいと引き込まれる。ラストシーンはこれからご覧になる方のためにもマル秘であるが、後味のいい仕上がりとなっており、久しぶりにたっぷりと堪能させられた。

主人公デイーパンを演じたアントニーターサン・ジェスターサンは、素顔そのものが元スリランカ内戦の兵士であり、フランス亡命後は作家としても活躍、多くの作品がインド、スリランカ、そしてタミル語圏の人々の間で幅広く愛読されており、もちろん英訳もされている。

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