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原節子逝く

過日、昭和20~30年代多くの名画に出演、突如として銀幕から姿を消した憧れのスター原節子が95歳の生涯を終えた。 荒んだ戦後日本にあって、「清く正しく生きる」まさしく手本のような役柄を演じ、すでに姿を消した石原裕次郎や美空ひばり、そして高倉健とともにいろいろな場面で新しい息吹を吹き込んでくれた人でもあったように思う。

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多くの作品でメガホンをとった小津安次郎監督の通夜(昭和38年)を最後に公の場からも忽然と姿を消した。鎌倉の自宅で親族と静かに過ごし、引退宣言もなく、マスコミの取材要請にも一切応じなかったため、「謎の佳人」「永遠の処女」と呼ばれたりした。

2か月ほど前、「虫の知らせ」かたまたま家内と小津作品の「東京物語」を観た。セリフの少ない映画であったが、笠智衆、東山千栄子夫妻の嫁(戦死した次男の美しい未亡人)の役を、切なくしとやかに演じていた姿が今もって思い出される。

同郷の鳥取生まれの女優司葉子は、「秋日和」や「小早川家の秋」で共演しており、晩年も交流があったようで、「憧れの人との共演は最高でした。毎年のように故郷の20世紀梨をお送りして、電話での語らいは1時間も続くほどでした。弔問にお伺いするか悩んでいます。騒ぎ立てるのがお嫌いな方でしたから、遠くから合掌したほうがいい気も致します」といった趣旨の心のこもった追悼文をよせている。

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