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蝉しぐれ、忘れられない名作と名歌

早朝、近くの公園を散歩するとアブラゼミの声がうるさくなってきた。

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いよいよ蝉シーズンの到来である。

蝉は何と300種もあるようだが、子供のころから慣れ親しんでいるのは、順にニイニイゼミ、アブラゼミ、ヒグラシそしてツクツクボウシといったところである。

地中に潜り孵化するまでは、長いものでは2年ぐらいかかるらしいが、地上に出るとわずか数週間ではかない一生を終える。

夏も盛りを過ぎるころにはツクツクボウシの三段階の鳴き声(ツクツクボウシ・・・スッタカインヨ・・・ズー)が聞かれ、「暑かった夏もようやく終わりそうだ」と一息ついていたが、最近は温暖化の影響もあってか10月ごろにも蝉の声を聴くことがある。

蝉をタイトルにした藤沢周平の「蝉しぐれ」は何度も読み返した愛読書である。

蝉しぐれとは、多くの蝉が一斉に鳴きたてる音が時雨の音に似ていることからつけられたとのことである。

名作「蝉しぐれ」は、周平ファンにはなじみ深い海坂藩を舞台にした時代小説で、主人公牧文四郎が蛇に噛まれた隣家の娘ふくを救ってやるところから始まる。藩の政争に巻き込まれた父の切腹という悲運に見舞われながらも、親友との交流や淡い恋物語などを心の支えに、ひとりの少年藩士がたくましく成長していく姿を、ゆたかな自然の中で描いたこの作品はいつまでも忘れられない。

もう一つ、忘れられない「蝉しぐれ」に五木ひろしの歌がある。

「夜に爪切る音がする・・・都会の冷たい蝉時雨・・・いつか忘れたさよならを映し出すよな蝉時雨」

やるせない哀愁を漂わせるこの歌は、まさしく演歌全盛期に一世を風靡した五木ひろしが

細い目をさらに細めて見事に歌い上げており、代表曲「千曲川」「よこはま・たそがれ」とともに今もって忘れられない。

 

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